映画「アバウト・ア・ボーイ」あらすじ(ネタバレ)感想と評価
映画「アバウト・ア・ボーイ」
あらすじ、感想と評価 *ネタバレ注意
38歳の男性と、12歳の男の子の友情を描いたハートウォーミングなコメディでした。
この映画の面白いところは、大人になりきれていない男性と、周りの環境から大人になることを強いられている少年の間の友情を描いたものであること^^
ヒュー・グラント演じる主人公のウィルは、もう中年にさしかかった大人でありながら、いまだに中身は少年のままのような人。
お父さんがヒット・ソングを作曲したおかげでずっとその印税で食べていけるから、仕事をする必要がなく、今まで一度もきちんとした職に就いたこともない。
彼の日常といえば、外食やビリヤードを楽しみ、美容院で時間をかけて髪を洗ってもらい、家でのんびり音楽を聴いたりテレビを観たり。
なんともうらやましいというか、優雅な生活です。
恋愛に関しても、1人の女性と長続きする関係を持ったことがなく、気楽なデートを楽しんでいる。
ヒュー・グラントがそんな男性をコミカルにとぼけた感じで演じていて良かったです。
ヒュー・グラントのインタビューを一度見たことがありますが、すごくユーモアセンスのある人だなあという印象でした。この役も楽しんで演じているような雰囲気でした。
さて、そんな悠々自適な生活を送っていたウィルの前に、ある日マーカスという12歳の少年が現れます。
マーカスはシリアスな悩みを抱えた男の子。お母さんがうつ病で自殺未遂をしてしまったり、学校で陰湿ないじめに合っていたり…。
そんなマーカスが心の救いの場として、学校や家庭以外の場所を求めていたとき、ウィルと出会い、なぜか彼のことを気に入って、マーカスは彼の家に入り浸るようになります。
初めは迷惑がっていたウィルも、マーカスと接していくうちに、この少年が深刻な問題を抱えながらも、クールな表情を装いながら、懸命に辛さを抑えようとがんばっていること、彼の心が友達を必要としていることがわかってきます。
マーカス役の男の子の澄んだ目が印象的でした。
ウィルは、マーカスのために何かをしてあげたい、大人らしく役に立つ助言をしてあげたいと思うのですが、何も思いつかない。
でもウィルのいいところは、大人目線、上から目線でマーカスを扱わないところで、だからこそマーカスはウィルのことを気に入り、彼といると落ち着くのだと思います。
二人の間に友情が生まれていくのが微笑ましく、今まで他人に無関心だったウィルがマーカスのために何かをしてあげたいと思うまでに変わって行く過程がおかしくも感動的に描かれています。
でもいかにも大げさな感動ドラマにはならず、最後まで主人公のウィルがおとぼけ男のままで、あまり成長したような感じには見えないところも、この映画の良いところかなと思います^^
最後まで抑えたコミカルな調子のままで、観終わった後にじんわりと心が温まっている映画でした。
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映画「それでも恋するバルセロナ」あらすじ(ネタバレ)感想と評価
映画「それでも恋するバルセロナ」
感想と評価 *ネタバレ注意
ウディ・アレンといえばニューヨーク、といった印象ですが、ここ数年はヨーロッパの各都市を舞台にした映画が多いですね。
さすがに名監督、それぞれの都市の空気感を掴むのがうまいなあ、と思うのですが、そこへアメリカの俳優と現地の俳優を交えて、いつもながらのすったもんだの恋愛劇を繰り広げるので、作品によってはまとまりのない、散漫な印象を受けることも…(^^;
でもこの「それでも恋するバルセロナ」は良作だと思います☆
これまでに何回も観ていますが、その度に面白い。
この作品の魅力は、バルセロナとオヴィエドという美しいスペインの街と、ハビエル・バルデム(何度聞いてもこの人の名前がきちんと覚えられない…)、ペネロペ・クルスのスペイン人の俳優たちによるところが大きいと思います。
優しくて優柔不断で女好きの、ファン・アントニオを演じたハビエル・バルデムは、情熱的な色気があってよいですね~(*^^*)
彼の周りに、性格の全く異なる3人の女性を配して、入り組んだ四角関係を描く設定が面白い。
というと、ドロドロしてしまいそうですが、さらりと軽快に物語は進行していくので気軽に観られるし、ウディ・アレンならではのシニカルなユーモアも顕在です。
ウディ・アレンのすごいところは、あくまでおしゃれに軽快に物語を展開しながらも、人間のどうしようもなく愚かな部分や弱い部分を、滑稽なおかしみを交えて見せてしまうこと。
まさに名人芸といった感じがします。
ファン・アントニオの妻・マリア・エレーナを演じたペネロペ・クルスの印象が強烈です。
彼女が登場してからは、正直他の女優たちの存在感は薄れてしまったかな…
情熱的で、天才的な芸術家で、でも情緒が不安定で、繊細でかよわげなところもある。自分が愛する人たちには、優しく包み込むような愛情をみせる。
ファン・アントニオに対しては愛憎半ばするといった感があり、興奮するとナイフやピストルを持ち出したり、何をするかわからない。
そんな複雑な女性像を、美しく魅力的に演じています。
彼女が登場して以来、完全にノックアウトされてしまいました(笑)
彼女を観られるだけで結構満足かもしれません…
やはりスペインの街には、ニューヨークのインテリ風の会話よりも、スペイン人の俳優たちによる激しい情熱がしっくり似合いますね。
いつかバルセロナに行ってみたくなりました(^^)
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