映画「バッファロー’66」あらすじ(ネタバレ)感想と評価
映画「バッファロー’66」
あらすじ、感想と評価 *ネタバレ注意
ヴィンセント・ギャロの監督デビュー作品。
1998年公開当時、「おしゃれな映画」として人気があったように記憶がしてしますが、今また観てもおしゃれでかっこよかった!
映像の質感が粗いというか、ざらざらしている感じがするのですが、それが良い味わいになっているんですよね。
ゴダールの映画を思い出させるようなカット割り。
でもその「おしゃれ感」が鼻につくほどではなくて、程よいバランスでした。
それにしてもヴィンセント・ギャロ演じる主人公のビリーは、だめだめな「俺様」野郎ですね~(笑)
もしかして本人もこういう性格なんだろうか?と思うほど自然に演じています(^^;
ビリーは刑務所上がりなんですが、両親には自分が刑務所へ入ったことを言えずに、結婚して仕事で遠くに行くと嘘を言います。
そして両親に会わせるために、たまたま出会った女の子のレイラをさらって、彼女に奥さんのふりをしてくれと頼みます。
「俺のことを崇拝し愛し大事にし、俺なしでは生きていけない女房を演じてくれ」
彼はこうレイラに言います。
とんでもない”俺様”野郎ですね・・・
それに対して素直に従ってしまうレイラは天使のように純粋で優しい女の子。
レイラを演じる、クリスティーナ・リッチがとても良いです。
可愛らしいロリータ・フェイスに濃い化粧、ふっくらした体もセクシーです☆
レイラはビリーについて彼の両親の家へ行き、そのうちに本当に彼の妻であるかのような気持ちになってきたらしく、その後も何となく彼と一緒にいます。
個人的に気に入っているのは、二人がボーリング場に行くシーン。
1人でボーリングに夢中になっているビリーに退屈し、レイラはむくれて靴を鳴らしながら踊るのですが、このダンスシーンがとても素敵です。
彼女のけだるさと寂しさが表現されています。
この映画の一番の名シーンかも。
ビリーは自分の人生を台無しにした男に復讐を誓い、彼を殺して自分も死のうという計画を抱いているのでした。
そんな絶望的なやさぐれた男が、天使のように心の美しいレイラに出会ったことにより、心を救われる物語。
おしゃれな雰囲気だけれども、ヴィンセント・ギャロは主人公のかっこ悪さや情けなさをとことんまでさらけ出しているのですね。
そしてそんなビリーを受け入れて愛してくれるレイラ。
都会の片隅の美しいおとぎ話みたい。
ざらついた乾いた映像が二人の純愛を引き立てています^^
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