映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」あらすじ(ネタバレ)感想と評価
映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」
あらすじ、感想と評価 *ネタバレ注意
ジム・ジャームッシュ監督の、長編デビュー作品なのだそうです。
いいですね~、ざらついたモノクロの映像に、この独特の世界観。
明確なストーリーや、ドラマなどはないので、好き嫌いが別れるかもしれませんが、私は好きです^^
ハンガリーからニューヨークにやってきた16歳の女の子・エヴァが、スーツケースを持って歩く冒頭のシーン。
背景に映し出されるニューヨークの街並みがかっこいいです☆
エヴァはニューヨークに住む年上のいとこのウィリー(ジョン・ルーリー)の部屋に、10日間泊めてもらうことになります。
初めは迷惑がっていたウィリーも、一緒にテレビを観たりごはんを食べたりしているうちになんとなく仲良くなってしまうのですね。
狭いアパートの部屋での、彼らのだらだらした生活がゆるゆると映し出されていきます。
悪ぶっている不良のウィリーと、冷めたエヴァ、いとこ同士の二人の微妙な距離感や会話がおかしい。
兄妹愛に近いんだけれど、ウィリーの方にはほのかに恋愛に似た気持ちもありそうな…
ウィリーはエヴァを喜ばそうとワンピースをプレゼントしますが、エヴァはその服が気に入らず、後であっさり捨ててしまいます。
そのシーンも何だか悲しくて何だかおかしい。
エヴァは10日後にウィリーの部屋を去り、クリーブランドという地方のおばさんの家へ行ってしまいます。
ウィリーは彼女がいなくなって寂しくなってしまい、親友のエディーとともに、車でクリーブランドへエヴァを訪ねる旅に出発します。
クリーブランドへ行った彼らは、再会を喜び合います。
クリーブランドのおばさん、すごくいい味を出しています。個人的にお気に入りのキャラクターです(笑)
そこでの単調な暮らしにうんざりしていたエヴァを連れて、今度は3人はフロリダへ行くことに。
ところがフロリダへ行っても、どこへ行っても特にやることはなくて、何となく退屈、冴えない感じの若者たち。
どことなく虚無的なんですが、暗い雰囲気はなくて、とにかくのんきでほのぼのとしたおかしさがあります。
その独特の時間の流れや、とぼけたユーモアを楽しむ作品だと思います。
みんな一緒にいることだけを望んでいるのに、最後に意図せず3人ばらばらになってしまう最後の落ちも哀しくておかしい。
ラストシーンで1人で部屋に戻って、ひっそりと微笑むエヴァの表情が良いですね。
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